宣明暦は、中国・唐の徐昂が 822 年に制定した暦法で、日本へは 862 年(貞観 4 年)に渤海を経由して伝わりました。日本では清和天皇から霊元天皇までの 823 年間(862〜1684 年)にわたって使われ続け、日本史上もっとも長く採用された暦になりました。
なぜそれほど長く使われたのか。理由は、平安後期から戦国時代にかけて朝廷の暦学が衰退し、唐の暦をそのまま踏襲する以外の選択肢を失ったためです。中国本土ではすでに宣明暦の精度が落ちて改暦が進んでいたのに、日本だけが古い暦をそのまま使い続けたのです。
結果、江戸時代初期には日食・月食の予報が 2 日もずれるという深刻な問題が起き、改暦の必要が叫ばれるようになりました。これが渋川春海による貞享暦(1685 年)への道を開きます。